自分旅行家のりたま(藤本紀子)といいます。まずは自己紹介。
普段は人生の話を聞いたり言葉に喩えたり詩を書いたりしています。
統計心理学i-colorによると、内面も外面もブルー。ブルーは礼儀正しい頑張り屋さんというキャッチコピーがついてますが、未だハテナマークが頭の中を飛びかっています。めんどくさがり屋の礼儀知らずです。そこでこちらのコラムでは「青の黙示録」と題し、i-colorブルーの素質を感じた場面を独断的に記していきます。独断と偏見と愛情入り混じる内容となるのでご了承の程。
関西人が熱狂したお笑い芸人、ダウンタウン
2月に入ったが年末年始のお笑い番組祭りを整理しておく(お笑い好き)。年末になると賞レースやら特番やら、どれをライブで観るか録画にするかで悩み、我が家のHDDはパンパンの状態である。私は京都生まれの神戸育ち。生粋の関西人。関西人というのは、小学生の頃の土曜日は家でチキンラーメンをすすりながら吉本新喜劇を空気のように観て、中学生になると4時ですよ~だを観るためにダッシュで家に帰るという生活をルーティーンのようにこなせてしまうのだ。もちろん昼寝中のBGMは漫才番組だ。関西だけで大活躍している芸人さんもたくさんいる。
その中で関西人がもっともリスペクトし愛してやまない芸人が、ダウンタウンである。
この年末年始もM-1グランプリやキングオブコントなどの賞レースやドリームマッチのような旬な芸人のネタ番組、ガキの使いやあらへんでなどの年末恒例特番など様々な番組の中心にダウンタウンがいた。芸人はダウンタウンの前で芸をすることに緊張し、ここまで俺たちはきたのかという嬉しさに心震える。自分たちの作ってきたネタをどう感じたのか聞きたい。そして俳優やタレントは浜ちゃんに叩かれて松っちゃんにボケられたい。スタッフも一緒に番組を作りたい。私たちもそれが観たい。全員が期待感しかないのだ。
ダウンタウンの魅力とは
ダウンタウンの凄いところはどちらも最強の才能の持ち主であるところだ。
松本人志は笑いの神様の異名を持ち、笑いに対して突き詰めていく姿勢は漫才からコント、そして映画まで昇華した。本を出すとベストセラー。独特の視点で自らの作った笑いをさらに乗り越えていく眼差しはやまず。浜田雅功は声の大きさで空気を引き締めその場を制圧する力。元々はツッコミがボケより弱いと言われていた若手時代。人知れず努力して当代きってのツッコミへと成長した。歌や演技もこなし、ファッションセンスはハマダーなる愛称で真似をする者まで出現した。
二人とも一歩も二歩も引いて場を観察し、自分の役割を瞬時に察して動く。時代や周りに合わせているように見えるものの、実はダウンタウンの術中にハマっているというやり方を貫いているのだ。ずっと。
考えてみればダウンタウンは昔から何も変わらない。笑いを追求する姿や切れ味のあるボケとツッコミ。笑いの素人を安心させきちんと面白くする技術。大物にも怯まない姿勢。しかし、一方では大きく変わってもいる。ドラマに出ないと言ってた松っちゃんがドラマに出て、筋肉で笑いは作れないと言ってた松っちゃんが筋肉マンになっている。扱われ方も笑いのカリスマから、若手芸人にイジられるキャラに変化しつつある。
師匠をもたない生き方
ここでお気づきだろうと思うが、なぜこの2人を取り上げたのか。
無論、i-colorがブルーだからである。
松本人志 i-colorブルー(内面)×i-colorゴールド(外面)
浜田雅功 i-colorブルー(内面)×i-colorオレンジ(外面)
実は私には憧れの人や尊敬する人がほぼいないのだが、ダウンタウンもまたそうなのだろう。彼らはNSCの出身である。お笑い芸人になるには師匠の弟子になり下積みを積まなければならなかった。そのシステムを破壊するシステムを作ったのが吉本興業のNSC。New Star Creation。師匠を持たず、自分たちで笑いを生み出していく新しいスターを作り上げていくという前代未聞の試み。その一期生がダウンタウンである。
師匠を持たないNSCの芸人たちは、師弟制度の根強い関西芸能界で異端児扱いされることになる。特にダウンタウンは早くから才能があると言われながら、当初は苦悩の時期を過ごした。次第に同期のハイヒールやトミーズは師匠陣たちに可愛がられながら、自分たちの持つ力を伸ばしていくことが出来た。ダウンタウンは迎合せず、自分たちの笑いを信じて、もがき苦しんでいた。
しかしその後、ダウンタウンは関西に一大ブームを作ることになる。それも一気に。
そして冠番組のラストを盛大に飾り、関西での大成功という看板を引っ提げて東京へ殴り込んだ。そこでまた喘いで燻る日々を過ごすことになる。一過性でなくありきたりでない彼らの笑いの才能に気づいた数少ない理解者たちが、彼らのために動き出す。あとはご承知のとおりだ。
ブルーたる所以とその影響力
私がダウンタウンを好きなのにはいくつかの理由がある。
師匠を持たない。
迎合しない。
自分たちの力を信じる。
本質を知る理解者がいる。
ブームを作る。それも一気に。
妥協しない。
実は礼儀正しい。
周りや時代の空気を読む。
軸は全くブレていない。
これ、i-colorブルーの特徴なのだ。
そしてもっともグッとくるのが、ここぞという人を抑える力。
関わった人を出世させて同じ夢を見させる。そして自分の思い通りの世界にしていく。
ダウンタウンが面白いと必ず信じて疑わない人が少ないけど必ずいた。現在吉本興業の代表取締役社長である大崎洋、ダウンタウンの漫才を見て漫才を辞めたM-1創始者の島田紳助、知名度もあまりない二人を見つけて「ガキの使いやあらへんで」をオファーした菅賢治。他にも多くの人が彼らに関わり、一緒に番組を作り、一緒に出世している。
芸人が憧れ、スタッフが憧れ、関わった人を全て引き連れていく。それも意図せずに、自分たちの結果でそうさせる。
だからこそ、いまだ誰もその領域に近づくことが出来ない孤高の存在として君臨し続けるのである。今のテレビにそこまで影響力を持つ芸人は出ないだろうと思うのである。i-colorブルーとして、いや私的にはまさに理想的な生き方であるのだ。
さて最後に。
自分自身でも思うのだが、わりとこれまでの貯金で生きていくタイプだ。なんとなく現在のダウンタウンのお二人にもその感じを受けるのである。もちろんこれまでがあってこその貯金なのだが、これから一念発起して新しいことに取り組むには相当勇気がいるだろうと思う。考えぬいた結果今の状態があるのだから。現状はとても心地よく、でも少し物足りないのではないかと同じブルーとして推察する。心の中はもっともっとと渇望しているかもしれない。これからの真新しいことがあるのか。一ファンとしては期待するばかりである。
自分旅行家/自分旅行主宰
はぴきゃりアカデミー20期修了/i- colorブルー。
東証一部ITサービス企業で人事採用として13年間従事。新卒学生からキャリア層まで1万人と面接。管理職として採用戦略や経営層との折衝を担当し、社内表彰3年連続受賞。順調なキャリアを築くも周囲の期待と自分の気持ちに乖離が生じ、自分自身を見失い人生を考え直す。現在は自分旅行家として独立。自分旅行とは「自分自身に会いに行く旅」。旅人と一緒に過去を遡り、自分を再確認する対話とその人の輪郭を喩える言葉や詩をお贈りしています。すべて私の妄想と想像と創作の物語。
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