
↑はたらく細胞 公式ページより
はぴきゃりアカデミー・メインファシリテーター&『はぴ転』コーチのつっちー@コーラルです。
13年前、乳がんになったこともあってか、『はたらく細胞』のがんの回が大好きです。
特に、がん細胞の叫びを聞くたびに、胸が締めつけられる思いがして、切なくなります。
でも、ぽんちゃん(私が乳がんにつけた愛称)との日々が思い出されて、なんとも言い難い気持ちになります。
がん細胞に感情があるかどうかなんて知る由もありません。
でも、彼らは他の細胞と同じように生まれ、『はたらく細胞』の中で描かれていたように、私という体を構成するいちメンバーとして、「頑張るぞ!」と、希望と熱意に溢れていたのかもしれません。
なのに、他の細胞とちょっと違うところがあったからと、体から急に悪者扱いされて、排除される憂き目に合うなんて、がん細胞の立場からしたらこんな理不尽な話はありません。
だからと言って、体を健やかに維持することを考えたら、がん細胞の異常部分は厄介です。
だから、身を引いてもらわないとならない事情もあります。
実は、13年前、乳がんの治療中、この二つの視点の間でめちゃくちゃ悩みました。心を痛めました。
当時は、『はたらく細胞』の存在は知りませんでしたが、どうしてもぽんちゃんを一方的に敵とか、悪者とは思えなくて。
さっさといなくなってほしい、なんて簡単には思えませんでした。
乳がんがわかった時、思いの外、深刻な状態だったことはご存知の方もいらっしゃると思います。
あの時、理想はもちろん、根治することでした。
でも、もし根治が難しかしい状況に陥ったら、その時はぽんちゃんと一緒に生きよう! それも悪くないなと、大真面目に考えていました。
がん細胞は、いるだけでは大きな支障はありません。
実際、主治医のお医者様もそう言っていました。
手術できるかどうかギリギリの病状ですら、
「今、具合が悪くなったとしてもそれは、がんのせいではありませんですからね」と、釘を刺されたくらい。
問題は、がん細胞がいるか否かではなく、がん細胞が暴走して他の細胞のお仕事の邪魔をしているか否か。
なら、がん細胞が暴走しないようにコントロールさえできれば、ぽんちゃんと一緒に生きていくことはできるのではないか。
そう考えていました。
現在の医療では根治することは難しいけれど、治療を継続しながらがんと一緒に生きている人を知っています。
私も経験しているからわかりますが、がんの治療は辛いことが少なくありません。
お薬の副作用で手足の先が痺れたり、関節が重痛くなったり、味覚がバカになって、水ですら後味の苦さに悩まされたこともありました。
何より、激しい倦怠感は、かなりしんどかったのを覚えています。
治療中(投薬中)は、副作用と上手に付き合わなければならず、健康な人と同じ行動をとるのは難しいことが多いのは事実。
でも、副作用の強い投薬治療は、必ず、おやすみ期間があります。
病状にもよりますが、お休み期間も1日とか2日見たいな単位ではなく、何ヶ月って単位で。
なので、休薬期間の知人は、普通に仕事もしているし、ご飯も美味しく食べているし、お酒も嗜む。
趣味だって楽しんでいます。
(まぁ、投薬中でも、副作用が落ち着いている時は、元気にお仕事してますが😛)
知らなければ、至って普通にしか見えない。
治療を継続中だって聞かなければ、わからないくらいに。
中には、根治は無理と言われていたのに、何度か投薬治療をしていたら、
なぜか病状の進行が止まり、治療を中断して数年経っている、なんて人も。
一見、行き止まりだと思えても、乗り越えられない壁だと感じでも、
実は第二、第三の道があった、ということは珍しくありません。
私はたまたま根治することができましたが、それは目的を叶える方法の一つが功を奏したに過ぎないと感じています。
がん治療の真の目的は、生活の質を保ちながら生きること。
そしてそれは、根治でなくても別の方法で叶えられる可能性は十分あります。
実際、根治以外の方法でQOLを保ちながら、元気に人生を謳歌している人は珍しくありません。
これは、私が乳がんを患ったおかげで学んだことの一つです。
そして、病気治療に限ったことではないと考えています。
例えば、なりたい仕事を見つけても、今の自分には到底、叶いそうもないと、挫けそうになる、諦めそうになることはよくある話です。
でも、目指す場所に続いている道は、一つではありません。
この道を進みたかったけれど、その道は難しかったからといって、頓挫したからといって目指す場所が、方向性が間違っていたわけではありません。
ただ、あなたにとってベストなルートがその道ではなかっただけ。
別の可能性を探れば、諦めずに挑戦し続ければ、思わぬ道が開けることは十分にあります。
行き詰まったら、他に道がないか探してみる。
そんな風にしなやかに生きていけたらいいな、と思います。
株式会社はぴきゃり 取締役
統計心理学i-colorエグゼクティブトレーナー/i-colorコーラル。就職活動に失敗、父親の介護のためのキャリアチェンジ、乳がん罹患など、様々なピンチを乗り越えてきた経験をベースに、ピンチとキャリアの両立をテーマに情報提供中。
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