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ヨーロッパでの天職探しを応援するキャリアカウンセラー・柏葉綾子です。

 

いつか海外で働きたいという方のお話をうかがっていると

「できれば現地で仕事を見つけてから海外移住したい」等々

なるべくリスクを伴わない就職活動を望んでいる方に多く出会います。

 

かつての私も同じようなことを考えていましたが、それでも私が現地に飛び込んだのは「勇気があったから」・・・ではなく、たぶん「あきらめきれない夢」だったからだと思います。

 

今回は、海外就職におけるリスクヘッジについてお伝えします。

 

 

 

○チャンスとはリスクを伴うもの

 

まず最初に知っておいてほしいのは「仕事が見つかれば海外に行く」とは、同時に「見つからない限り日本に留まる」という選択をしているということです。

 

つまり「現地に飛び込んで就活する」ことで生まれる可能性も同時においていくことになるわけです。

 

1~2年ならまだ良いと思います。しかしそれ以上経っても結果を伴わず、時間だけが過ぎ去っていく場合、時に人はどこかで決断しなくてはなりません。

 

すなわち「思いきって向こうで挑戦してみる」か「このまま縁がなければ日本に残りあきらめる」。

あるいは「第三の方法を探す」でも良いかもしれません。

 

 

 

○リスクヘッジと迷走の罠

 

 

私は現地に入って挑戦することを選んだ人間ですが、かつて日本で働いていた頃の自分は、

というと、抱えきれないほどの不安でいっぱいでした。

 

新卒で入社した会社を3年で辞め、ドイツに渡る予定だったものの

 

「今の経験が本当にドイツで役に立つのか?」

「本当に現地で仕事を見つけることなんてできるのか?」

 

何の確証もありませんでしたからね。

 

 

「やっぱり手に職をつけた方がいいんじゃないか」

なんて気持ちがふとよぎり

渡独前にデザイナー学校に通おうかと思ったこともありました。

 

今振り返ると、少しでも不安要素を減らしたいという気持ちがいっぱいで

迷走していたんだと思います。

 

学校への申込み直前になって、はっと気がついたことは、

たとえ手に職をつけたとしても、それがドイツ就職の可能性を100%まで上げてくれるとは限らない、ということでした。

 

 

○リスクはゼロにはならない

 

そうなのです、昔の自分に声を大にして伝えたいのですが、

リスクはゼロにはなりません。

 

統計心理学i-colorでは、その人が生まれながらに持っている「決断の傾向性」というものを見ることができるのですが、人には

 

・チャンスに敏感なタイプ

(i-color ターコイズ、ゴールド、ピンク、コーラル、レッド、オリーブ)

 

 

・リスクに敏感なタイプ

(i-color ブルー、グリーン、イエロー、ロイヤルブルー、オレンジ、バイオレット)

 

の2つのタイプがあります。そして

 

・チャンスに敏感なタイプの人はリスクを十分に検証すること

・リスクに敏感なタイプの人は

 「回避できる」リスクと、「どうにもならない」リスクを見分けること

 

がそれぞれ大切になってきます。

 

私が考える海外就職・最大のリスクヘッジは

 

1. 日本での職務経験(もしくははっきりとした“やりたいこと“)

2. 十分な資金

3. 語学力

 

の3つではないかと考えています。

 

しかしながら現地で就職活動をする場合、この3つを揃えて海外に渡っても、

残念ながらリスクはゼロにはなりません。

 

そして、ゼロにならないリスクをゼロにしようと頑張るのには限界があり、

これを始めてしまうと迷走してしまうことがあるのです。

 

迷走とはつまり

リスクヘッジにやっきになるあまり、少しでも安全な道を行こうとして

本当にやりたいことから遠ざかってしまうことです。

 

かつての自分は、正にその罠に陥りかけていたといえるでしょう。

 

逆に、リスクをとった人だけが掴めるチャンスというのもこの世には存在します。

本当にやりたいことであれば、時として人は、そのチャンスにかけてみようという気持ちになれるのです。

 

おそらく最強のリスクヘッジは、今できることに力を尽くすこと。

その心づもりができていれば、時に人はゼロにならないリスクに挑戦することができます。

 

それが、人事を尽くして天命を待つ、ということではないでしょうか。