ドイツ在住・キャリアカウンセラーの柏葉綾子です。
キャリア相談の仕事をしているとよく耳にするセリフがあります。
それは…
「どうしたらいいですか?」
というものです。
そんな時わたしは
「どうしたらいいか?」を探している限り
なかなか答は見つからない、とお答えしています。
なぜなら、人生の要所要所における決断は
「自分がどうしたいか?」
が決め手になることがほとんどだからです。
先日、私の主宰するはぴきゃりアカデミー・ヨーロッパ校でもこの2つの違いについてお話していました。
1. どうしたらいいか?
この質問は、答を外に求めていますよね?
どこかで人生の正解を求めているんです。
ところが、正解というのは人によって違います。
100人いたら100 通りの正解があるわけで、さて、あなたは一体、誰の正解を求めているのでしょうか?
家族、上司、メンター、世間…それとも自分?
例えば、海外に移住しようかどうか迷っている方で、とても周到に準備を進めているのに、なぜかいつまでたっても決めきれない方がいらっしゃいます。情報を集めれば集めるほど、迷いが深まってしまうのですね。
これって一見、矛盾しているように見えますよね?
安心して移住できるように情報(裏付け)収集していたはずなのに、なぜ迷いが深まってしまうのか…?
それは「自分はこうしたい!」を
決めきれていないからだったりします。
「どうしたらいいか?」というのは無難な方法、失敗しない選択
もっといえば自分が一番傷つかない選択、絶対に損をしない選択を探しているわけですが…
実は、もっとも無難な選択は「現状維持」だったりするのです。
現状維持が悪いわけではありません。
ただ、人が心から納得して決断できるのは「私はこうしたい!」が腑に落ちた時なので
それが抜け落ちたまま「どうしたらいいか?」に悩んでいると、いつまでたっても決めきれない…そんな悩みが生じてしまうのですね。
2. 自分がどうしたいか?
1とは逆にこの質問は、答を自分の内側に求めています。
万人にとっての正解ではなく、自分の本音を探しているんですね。
私たちが悩みのループにはまってしまう時、やりたいことがわからなくなっている時というのは
大概この「自分がどうしたいか?」をとばして「どうしたらいいか?」ばかりを考えている時です。
社会人として生きていると「どうしたらいいか?」は大活躍します。
どうしたらこの場を無難におさめられるか?
どうしたら上司の機嫌を逆なでしないで済むか?
どうしたら…どうしたら…
そして正解を求めるあまり
「自分がどうしたいか?」はおざなりになってしまうんですね。
実は私も、先日自分の講座準備をしていた時
知らぬ間にこの「どうしたらいいか」サイクルに入ってしまいました。
もっとこうした方がいいかな?
いやいや、こっちにしようかな?
うーん、どっちも微妙だな〜
などと延々と考えているうちに、はた、と我に帰ったんです。
なんだか今日はおかしいぞ…!
いくら考えても、これだ!
というアイディアが出てこない…
というか
考えているうちに疲弊してきて
好きな仕事をやっているはずなのに
全然気持ちがノッてないじゃないか…?
なんだこれは!?
はっ…Σ( ̄□ ̄;)
しまった!
「私がどうしたいか?」が抜けてる!
こんな風に
目の前の出来事に一生懸命になる時
「自分がどうしたいか」から「どうしたらいいか?」への脳内すり替えは実に巧妙に起きています…。
特に真面目で責任感の強い人ほど、その傾向が強いような…。
一旦「どうしたらいいか?」モードになってしまうと、すっかり頭で考え始めてしまうので、もはや自分が何がやりたかったのかを失念してしまうのです。
うーん、恐るべし…。
皆さんリラックスですね〜、リラックス(人のこと言えないけど…)
「自分はこうしたい!」を決めてから「そのためにどうしたらいいか?」。
それが、本当に納得のいく決断のコツかもしれないですね。
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ドイツ在住のキャリアカウンセラー。
はぴきゃりアカデミー第5期修了/i-colorオリーブ。ドイツ人材会社での勤務を経て、2015年9月よりキャリア講座を主宰。
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