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ヨーロッパでの天職探しを応援するキャリアカウンセラー柏葉綾子です。

前回のコラムで、人生のモヤモヤ期が訪れるのは自分らしさを忘れてしまったから、と書きました。

 

ではどうして人は、自分らしさを忘れてしまうのか?ということで、今回は私の例を挙げてみたいと思います。

 

 

まだ20代の頃、ドイツの日経メディアでセールスアシスタントとして働いていた私は、社内会議でことあるたびに「リニューアル」を提案していました。

 

当時は知らなかったのですが、i-colorオリーブという私のi-colorは、とにかく「1分1秒でも成長していたい」「毎回より良いものにしたい」という欲求がとても強い行動特性を持っています。

 

ところがある時、編集スタッフにものすごく怖い顔で釘を刺されました。

 

「リニューアルって…、この前ココを変更したじゃないですか。

 今度はガイド面も変更ですか?こっちは忙しいんです。

 営業部の勝手で仕事増やさないでください!!」

 

当時、週刊誌を発行していたその会社は毎週毎週〆切に追われる職場でした。編集部の言い分はもっともなものでしょう。

ところがその当時の自分は「もっと良くしたいなぁ」という純粋な気持ちをバッサリ切り捨てられ、非常に悲しい思いをした記憶があります。

 

 

それ以来、私は「リニューアル」を訴えることをなるべく避けるようになりました。社内の雰囲気をこれ以上悪化させたくなかったし、嫌われるのも怖かったからです。

 

「リニューアルしたい…いやいや我慢、我慢」

 

そんなことをやっている内に、めっきり仕事にやりがいを感じられなくなってしまった自分に気がつきます。自分らしさを抑圧している内に、どんどん感度が鈍ってきてしまったからですね。

 

こうしたケースはどこの職場でも多かれ少なかれ起こりうるものです。

この場合、悪いのは会社でしょうか?それとも私でしょうか?

 

本来はどちらも悪くなく、ただ求められる役割と発揮したい力が噛み合わなかっただけ、だと私は考えています。みなさんは、似たようなケースを体験したことはありませんか?

 

 

このように自分を抑圧して働き続けていると、やがて会社や仕事への不満がたまっていきます。

 

そんな時、大切なことは「会社の〇〇が悪い」「私が〇〇だからいけないんだ」と決めつけてしまわず、

自分と会社のどこが噛み合っていないかを正確に見極めていくことです。

 

例えば靴屋で靴を選ぶ時、私たちはきっと何足も試した上で購入すべき1足を選ぶと思います。

しかし、仕事の場合はこうは運びません。

 

何社も試して「この会社にしま~す」とはできないので、自分の足のサイズ(自分の特性・傾向・のびのびと働ける環境)をちゃんと測定・分析して、「このサイズの靴(仕事)がほしいです」と転職活動に取り組むことが肝要です。

 

「今の会社の悪いところ」ではなく「自分が本当に望んでいること」に着眼してゆくことが、望むキャリアを築く第一歩といえるでしょう。

 

 

ちなみに、リニューアル大好きだった私は、その後i-colorで自己分析を進める内に「毎回新しいテーマの仕事をしたい」という自分の欲求に気がつきました。

 

正直、そんな「プロジェクト単位」のような仕事に、ドイツで携われるのか全く見当もつきませんでした。むしろ、どんな仕事も最初は新鮮に感じるものだけど、続けていく内に絶対ルーチンワークになるから「会社員として働くならルーチンワークは絶対」と考えていたほどです。

 

ところが程なくして得た次の仕事は、人材会社の営業。毎週のように違う求人案件が入ってきて、採用が決まれば次の仕事に移れる、という案件ベースの仕事内容は、正に私が理想としていたものでした。

 

このように、今の自分には想像できなくても、「仕事に本当に求めているもの」「自分を活かせる自分軸」がはっきり定まることで、考えてもみなかったぴったりな仕事を引き寄せることがあります。

 

さて、あなたは、どんな仕事を引き寄せたいですか?