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こんにちは!

女性の長距離キャリアを応援するワーク・ライフバランスコンサルタントの小山佐知子です。

 
少し前に息子がに2歳になった頃から、かなりの頻度で「二人目は?」と聞かれるようになりました。

それも、家族や身近な友人だけではなく、普段そんなに交流がない方や全く知らない方からも。

 
先日、息子と電車に乗っていた際なんかは、隣に座っていた60代くらいの女性が話しかけてきて、息子が2歳だと伝えると「そろそろ二人目考えてるんでしょ?」とぐいぐい入ってこられました。

 
結婚していても子どもがいなければ「子どもを持ってこそ一人前だ」といわれ、一人だけだと「一人っ子は可哀想。二人いてこそ一人前だ」と言われ……。

 
私はこれらを「外野の声」と呼んでいるのですが、こうした声のほとんどは相手側に大意はないものの、残念ながらこれから先も私たちがどんなフェーズに立っていようと付きまとわれてしまうものだと思っています。
(よって真面目に答えるに値しない質問は笑顔で完全スルー。不要なストレスから自分を守るために。)

 
とはいえ、最近は二人目不妊の方も多いので、きっとこの手の質問には人知れず心を痛めていらっしゃる方も多いと思います(私のところにも相談に来ます)し、スルーするにも難しいデリケートな話題であることには間違いありません。

 
私たち夫婦はというと、実は最初から子どもは一人と考えているので、今も二人目は考えていないのが正直なところです。 

仮に二人目を考えたとしても不妊治療は避けて通れませんから、きっと大変な思いをすることになると思うのですが、「三人家族」という家族の形は本当にポジティブに望んで選択したので、後悔はありません。

 
なので、外野の声はほとんど気にならないのですが、それでもやっぱり「子どもは二人以上」を前提に質問されると、あなたの家族は不完全だよ、と言われているような気がして少々複雑です。

 

—196℃の「我が子」と別れる辛さ

でも実を言うと、最近、それ以上に複雑で辛かったことがありました。

凍結受精卵(胚といいます)とのお別れです。
 
—196℃の液体窒素の中で、2つの胚が保存されていました。

 
2人目を授からないと決めている以上、正直に言ってこの受精卵は不要なわけです。

保存は1年更新で毎年多額の費用がかかっているので、今年もとても悩まみました。

 
夏の終わりにクリニックから書面が届き、そこには継続するのか廃棄するのかを選んで返信するように書かれていましたが、私は何より、この「廃棄」という冷たい言葉に違和感と悲しさを感じていたので、不要と分かっていてもなお、踏ん切りがつかずにいたのです。

 
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私は3年前の採卵1回で幸いにもたくさんの卵子が採れ、顕微受精と体外受精の両方を同時に行い、今の息子の元になった受精卵を含め3つの良質な胚ができました。ある意味息子のきょうだいです。

 
だから、「ただの細胞であって命ではない」と分かっていても、「廃棄」という言葉でもってサヨウナラなんてどうしてもできなかったのです。

 
結果、これまで2年間、お金を払って凍結の継続をしてきましたが、この秋ようやくお別れを決断し届け出してきました。保存にかけていたお金は、今いる息子の成長に役立てるべきだと、夫婦で決断したのです。

 

「人材育成に役立てます」という言葉に救われて 

 それでも、どうしても「廃棄」という言葉が切なくて、先日クリニックの不妊カウンセラーに、この思いを伝えてみました。カウンセラーの女性はそんな私の気持ちにしっかりと向き合ってくれて、最後にこう言ってれました。

 
「廃棄の方法も、患者様さえよければ培養士の育成(研修)に使わせていただきます。本当に価値があるものを提供いただく限り、決して無駄にしませんよ。」

 

この言葉に私は涙し、やっと本当の意味での踏ん切りがつきました。
 
i-color発案G的には「誰かの役にたつ」「人材育成」というキーワードがめちゃくちゃ響くのですが、私たちの受精卵が培養士のスキル向上に役立てば、私も間接的に他の不妊患者様のお役に立てるかもしれない、と思うと前向きにこの選択ができました。

 
こうして、この冬、長い長い私の不妊治療が終わりました。

本当に長かった妊活ですが、私のこの経験もきっと誰かのお役にたつきっかけになるかもしれないと思えばこそ、今後ますます女性のライフキャリアを精一杯支援していきたいと思うのです。

 
またも妊活を通して、再び自分にとっての天職を知ることに…不思議なものですよね。

 

妊娠適齢期は今も昔も未来も変わらないから… 

 12月21日(水)に、女性限定で人気書籍『ライフシフト』読書会ワークショップを行います。

 
『ライフシフト』は、100年生きる時代の人生戦略がたくさん書かれているとても素晴らしい本なのですが、その中で子どもをもつタイミングについても記述があります。

 
これによると、卵子凍結保存などの技術が発展しようとも、基本的な女性の妊娠可能時期は大きく伸びないとのことです。平均寿命はどんどん伸びて多くの人が100歳を超える人生を歩むものの、生殖については人生の4分の一の初期段階で選択するときがきてしまう……。

 
日本は妊娠教育が遅れているので、まだまだ「40歳を超えても普通に妊娠できる」と思っている人がとても多いのですが、そうした意識を変えていくこともとても大事だと改めて思っています。

 

これもまた、私の使命だと思って次の世代のためにも頑張りたいと思います。

 

リンダ・グラットン氏の最新刊『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』を読んだ方・興味がある方と一緒につくるオリジナルの「100年ライフ未来地図」。前半は読書会として感想などをシェアし、後半は「2020年に自分がどうなっていたら幸せ?」を明確にします。コラージュワークは毎回わいわい大盛り上がりです! 
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