〜第1話 学問の神様も「組織人 不合格」だった〜 

組織・人事コンサルタント i-colorイエローの乾 千恵です。

いわゆる「歴女」です。

私が好きな「歴史」と「組織・人材育成」を掛け合わせ、職場の人間関係や日々の生活のヒントとなるようなコラムをお届けしたいと思います。

さて、4月といえば、昇進や転勤など「人事異動」の季節ですね。希望通りの部署に移動できた方、昇進(昇格)した方もあれば、希望がかなわなかった、あるいは希望しないところへの異動もあったのではないでしょうか。

「人事異動」に関わる悲喜こもごもは、あの「源氏物語」にも描かれているんですよ。1000年以上の時代を経てもなお、変わらないようです。

第1話目は源氏物語よりもさらに古く平安時代前半に活躍した「菅原道真」に学びましょう。


今でこそ天神様、学問の神様として人々から崇められていますが、「朝廷」に仕える組織人としてはダメダメで、右大臣から「人事異動」で太宰員外帥(太宰府の長官)に左遷されてしまいます。

「右大臣になったのに、なんで太宰府の長官に?なんか悪いことしたの?」と思いますよね。

いいえ、彼は何も悪いことをしていません。
単に「時流」を見誤り、「仲間」がいなかっただけです。

組織の中で生き残り、活躍できる場を得るためには「時流」を見極める必要があります。

つまり、「トップはどこを目指そうとしているのか」「これからうちの会社はどうなっていくのか」をしっかり見極め、判断しなければなりません。
ところが菅原道真は時流の見極めに失敗してしまいます。

もともと菅原道真は政治家ではなく、学者で「時流の見極め」なんて必要ない身分でした。

当時、藤原氏が国政を牛耳ろうとし始めた時代で、まだ絶対的な権力を得ておらず、藤原氏の影響力を排除したかった宇多天皇は藤原氏への対抗馬として学者として有能だった菅原道真を登用します。

宇多天皇の期待に応え、道真はその才覚を天皇中心の集権国家づくりに発揮していきます。例えば、「遣唐使の廃止」とか。

宇多天皇の在位期間中はその手腕を高く評価されていましたが、やがて宇多天皇は息子の醍醐天皇に譲位し、政権が変わります。
醍醐天皇は自分と年齢が近い藤原時平を左大臣に登用し、父からの懇願で道真を右大臣に就かせます。ですが、次第に右大臣 道真が邪魔な存在になってきます。

今も同じですよね、前社長の時代に「右腕」と言われていた人も気がつけば「抵抗勢力」と呼ばれる存在なんてことも。

道真も「自分はもう役割を果たしたかな」と気がついたり、もしくは若い天皇や左大臣をサポートする側に役割転換をすれば良かったのですが、どこまでも生真面目で「正論」を振りかざし真っ向勝負を挑むタイプでした。時流の変化を感じた学者仲間から「そろそろ引退したら?」と勧められますがNO!」と断固拒否。
とうとう「仲間」もいなくなってしまいます。

朝廷の中で孤立無援状態になった時、「人事異動」が行われ、太宰府へ左遷となったのでした。

あなたが道真と同じような憂き目に遭わないためには・・・
1.トップ(上司)が変われば「時流」が変わる。今までのやり方は通用しないと思うこと
2.「同志」「協力者」づくりも仕事のうちと思うこと

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