カナザワ 前回は、なぜカンボジアの支援をしているか、
というお話でしたが、
具体的にどのような活動をしているのですか?
村田 私たちが目指しているのは、
児童買春の被害にあう子どもたちを
ゼロにすることなんです。
そのためにはまず、
自活できる世帯を増やすことが先決だと思っています。
カナザワ お金や物資を送る、というのとは違うんですか?
村田 はい。
前回お話した通り、児童買春の原因は、貧困にあります。
お金や物資を送った場合、一時的には効果があっても
根本的な問題解決にはなりません。
むしろ、いたずらに彼らの依存性を刺激してしまう結果に
なってしまうこともあるんです。
私たちのミッションは、あくまで彼らが安心して生活できる、
自立した世帯を増やすこと。
そのために職業訓練等の教育や雇用を創出することに注力しています。
カナザワ 例えば?
村田 コミュニティファクトリー(職業訓練センター)の建設を進めています。
カナザワ コミュニティファクトリー?
村田 簡単に言うと、職業訓練と仕事を提供する場です。
農村にコミュニティファクトリーをつくり、
そこで大人を中心に職業訓練を行い
ハンディクラフト製作などの仕事を提供しています。
カナザワ 文化が違う国にそういった場を作るというのは、
苦労も多いんじゃないですか。
村田 そうですね。
現地に拠点を作る際、向こうに滞在していた時期があるのですが、
正直、怖い思いをしたこともありました。
カナザワ そうなんですか?
村田 向こうでは邦人の誘拐事件も多いですし、
誰が信じられる人で、誰が危険な人なのか判断することも難しいですから。
カナザワ なるほど。
村田 それでも、現地の支援者に支えられて、オフィスを立ち上げ、
中古の机と椅子、さらにボランティアの方々に提供いただいたパソコンを設置し
事務所の一角にパソコン教室を作ったりできているのは
多くの方々の協力があってこそなので、感謝しています。
カナザワ パソコン教室も展開しているんですね。
村田 卒業後、子どもたちが
そのスキルを生かして活躍する姿を見るのが楽しみなんです。
カナザワ いいですね。
話を戻しますが、
現在、コミュニティファクトリーで働いているカンボジア人は
何人くらいいるんですか?
村田 現段階では50世帯ほど雇用しています。
カナザワ 民芸品を作るお仕事をしているんですよね?

↑コミュニティファクトリーで作って
いる民芸品のブックカバー
村田 はい。
カンボジアでは、日本で言うござを
布団のようにして使っているのですが、
そのござを作る技を生かし、
イ草を染めてブックカバーなどの民芸品を製造し、
空港やホテルで販売しています。
カナザワ 日本では販売していないんですか?
村田 残念ながら。
ボランティアを含めてもう少し人手があれば、
日本に輸入することもできるとは思いますが。。。
今年から、序々に始めていきたいと思っています。
カナザワ そうなんですか。
村田 民芸品の売上は、
ファクトリーの運営費用に充てられるほか
識字教育や井戸など、村で必要な活動に還元しています。
理想は、ファクトリー建設と初期運営費用は寄付金でまかない
3年で黒字化させることです。
カナザワ 素晴らしいですね。
ちなみに、「かものはしプロジェクト」の活動の財源は、
寄付金だけですか?
村田 財源の一つは、サポーターと呼ばれる支援者からの寄付金です。
あとは、うちの団体にはIT事業部があるのですが、
企業からWEB制作を請け負い、その売上の一部を資金に充てています。
カナザワ NPOでも営利活動をしてもいいのですか?
村田 東京都の許可が下りればできるんです。
とはいえ、活動資金の調達など、
利潤の追求ではなく、
あくまでNPOの活動に必要と判断された場合ですが。。。
カナザワ そうなんですか。
知りませんでした。
村田 ゆくゆくはIT事業で請け負っている仕事を
カンボジアの人たちに仕事として出したいと思っています。
カナザワ では、その布石でもあるわけですね。
村田 はい。
カナザワ 話を聞いていると、
私が描いていたボランティアとは
随分と違うようですが。。。
村田 正直言って、私たち自身、ボランティアをしている、
という意識はないんです。
事業としてやらないとムリですから。
意識としては、会社を経営している感じに近いと思います。
カナザワ 興味深いお話ですね。
次回は、そのあたりを中心に伺っていきたいと思います。
■今宵のお酒■
オリジナルカクテル
村田さんをイメージしたオリジナルカクテルは
白ワインとクランベリージュースに塩漬けされた
サクラの花びらを加えたもの。グラスからほのか
に香るサクラと、口に含んだときの甘酸っぱさ。
さらに、ダウンライトに輝くピンクが目にも美しい
春を堪能できる一品。